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気候変動問題への取り組み・環境保全への取り組み

気候変動問題への取り組み

当行は、持続可能な地域社会・環境の実現に対する社会的な意識の高まりを受け、2021年5月にサステナビリティ方針を策定するとともに「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※」提言への賛同を表明しました。
今後も提言に沿った態勢整備を進め、当行グループを支えていただいている全てのステークホルダーと地域社会・環境の持続的発展に貢献するとともに、当行グループの中長期的な企業価値の向上と持続的経営の実現に努めてまいります。

TCFD  TASK FORCE ON CLIMATE-RELATED FINANCIAL DISCLOSURES のロゴ画像
  • Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略。
    2015年12月に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動リスク・機会の情報開示を推奨する国際的な支援組織。

ガバナンス

  • 頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ方針に基づく活動の企画・推進・管理に関する事項、サステナビリティ方針に基づく活動のために必要と考えられるその他の事項について、協議・報告を行っています。具体的には、サステナビリティ課題の特定や見直しをはじめとして、年度毎のサステナビリティ取組方針の制定、気候変動や生物多様性などの「環境保全」や金融教育などの「教育文化」、ダイバーシティや人権などの「社会問題」に関する施策・方針、取組状況などについて報告・協議を行っています。
  • 協議事項等は取締役会へ報告し、取締役会による監督が適切に図られるよう体制を整備しています。
  • 2022年12月、サステナビリティに係るガバナンス強化の一環として、「環境・社会に配慮した投融資方針」を新たに制定しました。地域金融機関は地域のサステナビリティ実現に向け、環境・社会に配慮し且つ、最も環境・社会課題の解決に資する事業領域である投融資に積極的に取り組まなければならないことから、取組方針を明確化しました。
  • 気候変動問題への取り組みについては、SDGsに係る重点取組テーマ「環境保全」の大きな柱と位置づけ、積極的に取り組んでいます。

戦略

機会

お客さまの脱炭素社会への移行を支援するファイナンス(サステナビリティ・リンク・ローン、グリーンローン等)やソリューション(SDGsコンサルティング等)の提供を通じて、金融・非金融の両面から、低炭素・脱炭素社会の実現に貢献していきます。

リスク

気候変動に伴うリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しており、引き続きTCFD提言が推奨するシナリオを活用した分析を実施し、各リスクの定量的な評価を進めていきます。

次の表は左右にスワイプしてご覧ください

移行リスク 脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの事業が影響を受け当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定
法規制リスク 炭素税等、CO2排出に関する規制強化等(中期〜長期)
技術リスク 既存製品の低炭素技術への入替に係る投資の失敗等(中期〜長期)
市場リスク 消費者行動の変化、原材料コストの上昇等(中期〜長期)
評判リスク 特定セクターへの非難等(短期)
物理的リスク 異常気象により、当行の事業用資産が被災し事業継続が困難となるリスクや、お客さまの業績悪化や事業用資産毀損による当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定
急性リスク 洪水等の増加、異常気象の深刻化(短期〜長期)
慢性リスク 平均気温の上昇、海面上昇(長期)

炭素関連資産

「エネルギーおよびユーティリティー※1」セクターの当行貸出金等に占める割合は1.0%です。なお、2021年TCFD改訂付属書に基づく炭素関連資産※2の割合は12.4%です。

  • ※1石油精製・石油製品製造、ガス、石炭製品、大手電力会社等。水道事業者、再生可能エネルギー発電事業者は除きます。
  • ※2「エネルギーおよびユーティリティ」セクターに「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクターが追加されました。

シナリオ分析

TCFD提言では、気候変動のリスクに対する戦略のレジリエンスを示すために複数のシナリオに基づいた分析の実施を推奨しており、当行では移行リスクと物理的リスクについてシナリオ分析を実施します。
シナリオ分析結果を当行のリスク低減やお客さまの脱炭素社会への移行に向けた対話の強化や支援につなげていくため、引続き分析手法の高度化に取り組んでまいります。

「移行リスク」
  • 移行リスクについては、脱炭素社会への移行に伴うマクロ経済環境の変化によるお客さまの財務悪化を通じた信用コストへの影響を分析対象とし、TCFD提言等を参考に移行リスクが高いと考えられるセクターとして「エネルギー」「ユーティリティー」「鉄鋼」を特定し、分析を実施します。
  • 分析にあたっては、NGFSが公表する「秩序ある2050年脱炭素」「無秩序な移行」の各シナリオで想定する経済指標(実質GDP・長期金利・インフレ率等)からお客さまの将来にわたるデフォルト率の変化を予想し、信用コストへの影響を推計します。
  • 気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク
リスク事象 脱炭素社会への移行によるマクロ経済環境の変化を通じてお客さまの財務が悪化することに伴う当行の信用コストへの影響
分析対象 エネルギー、ユーティリティー、鉄鋼セクター
シナリオ
  • NGFSによる「秩序ある2050年脱炭素」「無秩序な移行」シナリオ
  • 2050年の脱炭素に向けて円滑に移行するケースと、2030年以降に脱炭素化が急速に進むケースの2通りで分析を実施
分析結果 2050年までの信用コスト増加額:累計で103〜197億円
「物理的リスク」
  • 物理的リスクについては、洪水等の増加による担保物件の毀損並びにお客さまの事業停滞に伴う業績悪化を通じた信用コストへの影響を分析対象とします。
  • 分析にあたっては、洪水ハザードマップ等のデータを活用し、洪水により一定水準の浸水被害が発生した場合の担保物件毎の毀損額並びにお客さまの事業停滞による業績への影響を推計します。
  • そのうえで、担保物件の毀損に伴う非保全与信額の増加並びにお客さまの業績悪化に伴う債務者格付の変化を踏まえた信用コスト増加額を推計します。
リスク事象 洪水等の増加による当行不動産担保の毀損やお客さまの事業停滞に伴う業績悪化
分析対象 道内事業性貸出先
シナリオ IPCC第5次報告書におけるRCP2.6(2℃シナリオ)およびRCP8.5(4℃シナリオ)
分析結果 2050年までの信用コスト増加額:最大で40億円程度
  • 気候変動に関する政府間パネル

リスク管理

  • 当行は、気候変動に伴うリスクが将来的に当行の事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識しています。引き続き、当該リスクを分析・評価・把握し、統合的リスク管理の枠組みの中で管理する体制の構築を進めていきます。
  • 2022年12月に「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定し、環境や社会に負の影響がある特定の事業等(石炭火力発電・石炭採掘事業、森林伐採事業・パーム油農園開発事業、非人道兵器製造)への投融資は慎重に判断し、脱炭素社会実現に向けた移行期間(トランジション期間)における投融資については、発電効率の高度化や当地の安定的な電力供給などの観点から個別にその必要性を十分に検討したうえで、投融資判断を行います。

指標と目標

  • 当行のCO2排出量(Scope1+2)を2030年度までに2013年度比60%削減し、2050年カーボンニュートラルの実現を目指します。
  • 当行のCO2排出量(Scope1+2)の推移は、下記のグラフの通りです。2022年度は、2013年度比42.1%削減しました。今後も2050年カーボンニュートラルに向けた取組を強化していきます。
    Scope1+2の状況について棒グラフで示した図。2013年のCO2排出量はScope1 4558+Scope2 25905、2020年はScope1 2767+Scope2 19128、2021年はScope1 2672+Scope2 16601、2022年はScope1 2656+Scope2 14992。…2030年は吹き出しで2013年度比60%削減と書かれていて、数値の記載はないがグラフの棒の高さからだいたいScope1 10000程度+Scope2 2500程度と思われる。2050年にはCO2排出量は0になり、吹き出しでカーボンニュートラルと書かれている。2013年から2050年へ向けて減少を示す赤い矢印が書かれている。
    2013年度から2022年度までのCO2排出量について示した表(単位:t-CO2)。2013年度はScope1 4558、Scope2 25905、計30464。…2020年度はScope1 2767、Scope2 19128、計21896、2021年度はScope1 2672、Scope2 16601、計19273。2022年度はScope1 2656、Scope2 14992、計17649。2013年度対比(2022)は、Scope1▲41.7%、Scope2▲42.1%、計▲42.1%。
  • Scope3について
    金融機関に対しScope3の取組への期待が高いことを認識しています。引き続き、開示の強化に向けて、情報収集・分析に務めてまいります。
    Scope3について示した表。単位をt-CO2として、年度ごとに出張、通勤、投融資※の数値を記載している。2020年度は出張430、通勤1563、投融資は数値なし。2021年度は出張462、通勤1494、投融資は数値なし。2022年度は出張418、通勤1425、投融資は586103。
    • 分析対象先は、CO2多排出セクター(エネルギー・ユーティリティー・鉄鋼)のうち、排出量を「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(環境省)」に報告している取引先です。なお、帰属計数(Attribution Factor)は、分析対象先の借入金総額に当行融資シェアを乗じて算出しています。
  • 金融機関として最も環境課題の解決に資する事業領域は投融資であるとの考えのもと、脱炭素社会への移行を支援する「環境関連投融資」について、以下の通り実行金額の目標を設定しました。2021〜2022年度までの環境関連投融資累計実行額は934億円です。
    環境関連投融資とその内容について示した表。累計実行額目標は5000億円。期間は10年間(2021年度〜2030年度)。投融資対象は、環境保全や気候変動対応など環境課題の解決に資する投融資。
    環境関連投融資の実績について示した表。2021年度は415億円、2022年度は519億円。

ほっくー基金

ほっくー基金(ほっくー基金北海道生物多様性保全助成制度)

北海道の生物多様性保全を目的とした「ほっくー基金(2010年度設立)」により、道内の希少種保護や生息環境整備等に取り組む様々な団体を幅広く支援しています。基金設立以来、累計185先へ9,260万円を助成しました。
「ほっくー基金」の主な原資は、「通帳レス口座」、「LINEスタンプ」および「Web完結型ローン実行件数」です。 通帳レス口座はスマート通帳や北洋銀行アプリなど通帳デジタル化による紙通帳の印刷コスト相当額を、LINEスタンプはスタンプ売上の全額を、Web完結型ローン実行件数はWeb完結型ローン手続にて削減となる郵送代等を当行がほっくー基金に拠出します。これにより、お客さまは間接的にほっくー基金へ参加いただき、北海道の生物多様性保全に貢献することができます。

LINEスタンプの購入はこちら外部サイトを開きます

または下記QRコードより購入ページへアクセスください。

ほっくー基金のLINEスタンプ購入ページのQRコード。
笑顔のほっくーのイラスト。右にピンク、左に黄色の小さな花のイラストも添えられている。ほっくーを挟む形で「ありがとう ございます」と書かれている。

ほっくー基金口座の設置

北海道の生物多様性保全に、当行の役職員はもとよりお客さまに広くご参加いただき、道民一丸となって取り組めるよう「ほっくー基金」の専用寄付口座を設けています。各営業店の窓口にてお振込手数料無料で受け付け、個人から法人のお客さままで広く皆さまのご協力を募っています。

  • オホーツク魚類研究会の活動を写した写真。川に入り、木材を使って作業している人、その様子を撮影している人が写っている。

    オホーツク魚類研究会

  • NPO法人大雪山自然学校の活動を写した写真。プラスチックの籠を背負い、開けた山の斜面を下っている人が写っている。

    NPO法人大雪山自然学校

  • 一般社団法人北海道自然保護協会の活動を写した写真。森の中、車道から離れたところで草むしりをしている人たちが写っている。

    一般社団法人北海道自然保護協会

  • 北海道大学狩猟同好会カリブの活動を写した写真。暗い山中で、狩猟用の罠である檻の中を確認している人たちが写っている。

    北海道大学狩猟同好会カリブ

公募に関するお知らせ

2025年度の公募受付期間は2024年11月1日(金)〜2025年1月31日(金)(17時必着)です。
助成金額上限100万円の「ほっくーコース」と、10万円固定の「トムコース」を設定しており、総額890万円を助成いたします。

詳細はこちら外部サイトを開きます

助成先のご紹介

大雪山国立公園・然別湖においてウチダザリガニの防除を積極的に行っている
然別湖生物多様性保全協議会

大雪山国立公園・然別湖で特定外来生物ウチダザリガニ防除・水草保護活動を行い、近年は年間捕獲数が4万匹を超えています。また、体験学習などを通じて、自然環境保全の重要性について理解を広めることに努めています。

然別湖生物多様性保全協議会の活動を写した写真。湖に浮かぶボートに、アウトドアウェアを着た人が1人写っている。捕獲用の網を手に持ち、中を覗き込んでいる。
然別湖生物多様性保全協議会の活動を写した写真。アウトドアウェアを着た沢山の人が、キャンプ用折り畳みテーブルの上に載ったバケツや、ウチダザリガニを覗き込んでいる。

「21世紀金融行動原則」2020年度最優良取組事例特別賞(運営委員長賞)受賞

ほっくー基金への継続的な取り組みが評価され、環境省が支援する21世紀金融行動原則の2020年度最優良取組事例において、「特別賞(運営委員長賞)」を道内金融機関で初めて受賞しました。

  • 21世紀金融行動原則…持続可能な社会の形成のために必要な責任と役割を果たしたいと考える金融機関のための行動指針。署名金融機関は、自らの事業内容を踏まえ可能な限り7つの原則に基づく取組みの実践を目指しています。

環境配慮型企業向け私募債「SDGs(エコ)私募債」

環境に配慮した取り組みを自主的・積極的に行っている企業に対して有利な私募債を発行し、環境配慮型企業をサポートしています。環境への取り組みは北海道、札幌市等の地方公共団体とも連携を強めていることから、主な対象企業を、北海道グリーンビズ認定制度・さっぽろエコメンバー登録制度の登録企業としています。2010年4月取り扱い開始以来、多くの環境配慮型企業の皆さまにご利用いただいています。

SDGs(エコ)私募債(旧北洋エコボンド)の、取扱状況(2013年3月〜2023年3月)。2014年3月時点での累計件数は625件、累計金額は963億円。2015年3月時点では868件、1350億円。2016年3月時点では1122件、1752億円。2017年3月時点では1572件、2361億円。2018年3月時点では1896件、2813億円。2019年3月時点では、2150件、3208億円。2020年3月時点では、2367件、3559億円。2021年3月時点では、2484件、3739億円。2022年3月時点では、2646件、3960億円。2023年3月時点では、2795件、4184億円。

SDGs(生物多様性)私募債

北海道の豊かな生物多様性の保全や持続可能な取組み支援に向けて、北海道・札幌市・(公財)北海道環境財団と「北海道の生物多様性に係る覚書」を締結し、2023年4月より「SDGs(生物多様性)私募債」を取り扱っています。発行金額の一部を毎年度、北海道環境財団の「北海道環境未来基金」に寄付を行い、北海道や札幌市の取組みを応援します。
覚書に基づき、「ほくよう生物多様性プロジェクト(仮称)」を立ち上げ、「道内の生物多様性地域戦略」の推進に貢献する事業を実施します。当行は、道内生態系からの恵みを享受する道民の意識向上を図るため、道内事業者のみなさまとともに生物多様性への取組みを強化してまいります。

SDGs(生物多様性)私募債の活用について示した図。企業が北洋銀行へ私募債を発行し、北洋銀行は(公財)北海道環境財団「北海道環境未来基金」に、私募債引受額の0.2%相当額を寄付する。「北海道環境未来基金」の次には、「北海道の生物多様性に係る覚書」内での動きが書かれている。覚書を締結した北洋銀行、北海道、札幌市、北海道環境財団が活用方法を協議し、(仮称) ほくよう生物多様性プロジェクト[生物多様性地域戦略の推進に貢献する事業実施]に繋がる。

「北海道グリーン・ビズ認定制度」最上位ランク3

「北海道グリーン・ビズ認定制度」は、環境に配慮した取り組みを自主的に行う事業所等を登録・認定する北海道の制度です。
当行は、3段階の登録基準のうち、最上位のランク3に認定されています。

  • 「北海道グリーン・ビズ認定制度」ランク3の認定マーク。「北海道グリーン・ビズ」という文字の下に、笑顔の地球と、北海道の形をしたアイコンから二葉が育っている様子のイラストが置かれている。さらにその下に、登録★★★ Excellent  と書かれている。

    「北海道グリーン・ビズ認定制度」
    ランク3の認定マーク

気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション

気候変動対応オペにかかる対象投融資に関する基準および適合性の判断のための具体的な手続きの開示PDFファイルを開きます