トップメッセージ

 皆さまには、日頃より北洋銀行をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。

 足元の日本経済は、新型コロナウイルス感染症5類移行による行動制限の緩和やインバウンドの回復による人流の増加など、経済社会活動の正常化に向けた動きが景気の下支えとなり、緩やかに持ち直していますが、海外金利や為替相場の動向、ウクライナ情勢・中東情勢の展開、資材・資源価格の高騰など、今後の経済成長の重石となるリスク要因も抱えています。

 北洋銀行グループが営業基盤とする北海道においては、足元では物価高、幅広い業種で直面する人手不足、中国の水産物禁輸や酷暑に伴う農業への悪影響といった景気下振れリスクがあります。
 一方、「再生可能エネルギーなどのGX」、「次世代半導体製造拠点の進出」という、2つの大きな産業が芽吹き始め、これらには今後大規模な投融資が見込まれており、北海道の未来を一変させる可能性を秘めています。

 こうした環境下において、北洋銀行グループでは2023年4月よりスタートした中期経営計画『新たな成長へのチャレンジ』のもと、足元の課題解決に向けた支援を進めるとともに、これら成長分野に対する積極的かつ主体的な取組みを進めています。
 GX分野では、2023年6月に始動した、札幌市を国際環境金融都市に位置付けるプロジェクトにおける産学官金連携コンソーシアム「Team Sapporo-Hokkaido」に参画しています。
 北海道・札幌「GX金融・資産運用特区」の指定を通じた規制緩和や税制優遇等により、今後10年間で150兆円超ともいわれるGXの官民投資、およびこれに呼応した世界中からの投資を北海道・札幌に呼び込むため、当行はコンソーシアムのメンバーとして積極的に活動をしています。
 次世代半導体製造拠点進出により、道内経済への波及効果は10兆円を超える試算が出されるなど、北海道にとってこれまでにないビッグプロジェクトとなっています。北海道の産業構造変革への大きな原動力になるとともに、道内事業者にとってはビジネスにおける千載一遇のチャンスであり、当行では頭取直轄組織「成長戦略企画室」を中心に、正確で鮮度の高い情報やソリューションメニューを提供すべく、全行あげての推進体制を整備し、工場が建設される千歳市や関係団体に行員を派遣するなど、積極的に取組みを進めています。

 今、北海道は転換期を迎え、経済に大きな変化が生まれようとしています。その潮流に主体性とスピード感を持ち、北海道の未来、そして当行グループの未来、それぞれの未来に向けて、行動規範である「変化を恐れず、自ら考え挑戦する」を実践していきます。

 北洋銀行グループは、お客さまや地域からの信頼に応え続け、北海道の持続可能な未来のために貢献してまいりますので、引続きご支援、ご愛顧を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

株式会社 北洋銀行
取締役頭取 安田 光春