トップメッセージ

 日頃より北洋銀行グループをお引き立ていただき、誠にありがとうございます。

 本年4月1日付で頭取に就任いたしました。100年を超える歴史ある地域金融機関の舵取り役として、その責任を感じるとともに、身が引き締まる思いです。

 足元の国内経済は、物価高や人材の不足感に加え、日本銀行のマイナス金利解除に伴う景気への影響、さらに世界各地における地政学リスクの顕在化など、不確実な状況が続いています。

 北洋銀行グループの営業基盤である北海道も大きな変化を迎えています。「次世代半導体製造拠点」は試作ラインの稼働に向け大詰めを迎えており、これまで北海道のウイークポイントとされていたものづくり産業のウエートの低さを今後一変させる可能性があります。加えて、全道各地で「再生可能エネルギーなどGX(グリーントランスフォーメーション)」の計画が進展しているほか、2024年1月には札幌市が国に対し「GX金融・資産運用特区」の提案書を提出し、今後10年間で150兆円に及ぶとされるGXの官民投資を北海道に呼び込もうという動きが始まっています。

 北洋銀行グループでは、これまでの経済活動に加え、北海道に訪れているこの新たなチャンスをオール北海道で取り込み、その経済効果を全道に波及させ、お客さま、地域、従業員、株主、そして当行が持続的に成長できるよう、北洋銀行グループの「企業価値の向上」について議論を重ねてまいりました。

 私たちは、お客さま・地域の発展のために「お客さま本位」をこれまで以上に徹底し、リレーションを深め、顕在化したニーズのみならず潜在的なニーズを掘り起こし、課題を解決することで、北洋銀行グループの「社会的価値」と「経済的価値」の向上を両立させることが、当行の「企業価値の向上」につながると考えます。

 これによってお客さまや地域と共に成長し、その成長により当行の収益力を向上させ、株主の皆さまの負託にお応えしてまいります。

 そして、そのすべてのベースとなるのが「人財」です。北洋銀行グループでは「地域社会のサステナビリティを支える人財」を創出すべく、2024年度より人事制度改革や必要人財の量的確保、人財育成の強化に取り組むほか、チャレンジできる企業風土への変革を通じて、従業員の成長の機会と働きやすい環境を整え、人的資本経営を実践してまいります。

 北洋銀行グループは人財を磨き、お客さま・地域、株主の皆さまからの信頼に応え続け、北海道の持続可能な未来のためにこれからも貢献してまいりますので、今後とも温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2024年4月
株式会社 北洋銀行
取締役頭取 津山 博恒